火事の話。幸い私は本格的な火事に出会ったことはないので、
おそるおそる読みました。月並みな感想ですが、怖いですね。
どことなく陰鬱な話題が続きましたが、火というのは祝祭的なものでもありますね。
昔むかし読んだよしもとばななの小説で、 友達と海辺で焚火を囲み、
クッキーやおつまみを火にくべて食べるシーンがあって、友達と海辺と焚火とおやつ、
という、子供の欲望を 全て満たしたようなシチュエーションにくらくらした…ような気がします。
タイトルも、ストーリーも設定も覚えていないので、自分がねつ造した
シーンなのかもと不安になってきましたが…知ってますか?

子供の頃は周りに焚火をできる場所があまりなかったので、
仕方なく友達の家の庭で、どこからか調達してきた大量の割り箸を
やぐらに組んで火を付け、「焚火」と呼ばわって鑑賞していました。
ロウをなすりつけて火の持ちをよくしたり、やぐらの組み方にこだわって
素早く大きな炎を上げることができると、子供ならではの深い深い満足感に
包まれて、うっとりと高さ30pの「焚火」を眺めたものでした。

…今子供がそんなことしてたら止めると思いますが、楽しい思い出です。

あるいは5才年上の兄がティッシュペーパーに火を点けて2階の窓から
落として遊んでいたこと。ひらひらと燃えるティッシュは
普通よりもさらに落ちる速度が遅く、ティッシュの白と炭の黒を
炎の中からちらちらと表わしながら、ゆっくりゆっくり落ちていくので、
思わず厳粛な気分になってしまうような、幻想的な風景が出現するのでした。

…風が吹いて隣の家とかに落ちたらどうするつもりだったのか、
今考えると不思議ですが、楽しい思い出です。
(2006年3月23日)
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