ひらひら、ひらひら。いいなあ、私もひらひらと旅に出たい。

私はもう何日もパソコンの前に座り続けている。
原稿の締め切りが近づくと、周り中の空気が重たくなって
まるで葛餅の中を泳いでいるみたい。
書きあぐねれば書きあぐねるほど葛餅はねっとりと身体にからみつくし、
空を見上げても、真っ黒な蜜が垂れかかっているのが見えるばかり。
息苦しい。言葉がちっとも思い浮かばない。なんか、甘い。
歌を書いています。

   ひとりでに両目をひらくだるまかな甘やかな夜の中に置かれて

(2005年12月12日)
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